Alternative Hort. -園芸領域の拡張-

日本における園芸の歴史は、古くは平安時代に貴族が日本最古の庭園書『作庭記』に基づき優雅な庭を築き、鎌倉・室町時代には禅の精神から「枯山水」という独自の様式が誕生しました。 江戸時代では平和な社会背景のもと、武士から庶民、身分を超えて植物に熱狂し、斑入りなどの珍品・奇品の蒐集や育種により園芸が驚異的な発展を遂げ、日本は世界に類を見ない「園芸大国」となりました。 明治以降は英国などの西洋式庭園の文化が流入し、戦後・昭和に一大ガーデニングブームが到来。屋外における園芸が隆盛を極めました。 さて現代に目を向けると、まずは温暖化による気候変動の影響で園芸を取り巻く環境は一変します。 特に夏期の気温の上昇により屋外は到底人間が普通に活動できる環境ではなくなってしまいました。それは園芸植物においても同様で、屋外で猛暑を乗り越えるのに何かしらの工夫が必要となっています。 それと同時に、元々は野菜などの有用植物を屋内で安定的に生産する目的として開発された育成用のLEDライトですが、園芸の世界にも普及し始めると、植物を室内で栽培する機運が高まっていきました。 そして、それを決定づけたのがコロナによるパンデミックです。 外出自粛により室内で植物の栽培を楽しみたいという需要が高まり、それに伴い育成用ライトが急速に普及して行きました。その結果世界的な"室内園芸ブーム"が到来し、園芸の現場は確実に屋外から室内ヘとシフトしています。 Synonymはこのような園芸を取り巻く状況や課題に対して、様々な方法で園芸の領域を拡張し"オルタナティブな園藝"に取り組んでいます。 室内におけるミニマムな栽培システムの構築や、3Dプリンターを用いた室内園芸に特化したプロダクトの開発、園芸の博物的なアプローチ。その他にもアパレル、工芸、アート、出版物、サウンドデザインなど、様々な要素と園芸を交差させることで園芸の領域を拡張させ、「過去と現在」、「伝統とテクノロジー」の狭間を漂いながら植物の蒐集・栽培だけに囚われずに、園芸の多角的かつ多面的な楽しみ方を発信していきます。

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